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// サーキット対策!ブレーキパッド交換▼

今回はサーキット対策として、ブレーキパッドの交換に挑戦です。
「ブレーキなんて、そんなに気にしなくても・・・」 と思いがちで、確かに普通に街乗りをしている分には、 ブレーキに不満を感じる事はまず無いとおもいます。
正直自分もそう思っていたのですが、 サーキットを頻繁に走るようになってから、このブレーキの重要さをつくづく痛感しました。
ブレーキの弱い車は、どうしてもコーナーへ進入する際、 手前からブレーキングをしなければなりませんし、 ブレーキの弱さはドライバーの不安にも繋がります。
車を速くしようとすると、どうしてもパワー、 つまり前へ進む力ばかりを意識してしまいがちですが、 考え方を変れば、ブレーキは後ろへ進むパワー (バックとは違いますが・・・(苦笑)) とも言えますし、 前へ進むパワーと比べて、お手軽に安くチューニングできるので、 弄って損は無いでしょう。

・・・っと、能書きはこの辺にして、作業の説明です(苦笑)
作業といってもそれ程難しいことではなく、 基本的にはタイヤを外してボルトを1・2本抜くだけで、結構簡単です。
ただし、車の制動を担う非常に重要な部分で、 場合によっては人命にも関わるので、 簡単な作業ですが、充分注意して確り行ってください。


フロント作業
作業は比較的簡単なフロントから行いたいと思います。
まず車をジャッキアップするのですが、 安全の為にも出来ればウマ等を使って、確り支えた方がいいです。
あ、ジャッキアップ前にホイールナットを緩めるのも忘れないようにして下さい。
自分はこれを忘れて、よく悲しい思いをします・・・(苦笑)
フロントの場合は、ハンドルを左右にきってキャリパーを手前にもってきたほうが作業がラクかもしれませんが、 方輪ジャッキアップ中のハンドル操作は危険ですので、注意してください。
タイヤを外したら、まずキャリパーを取り外します。
取り外すといっても、フロントの場合は下のボルトだけ抜いて、上に引き上げるだけです。
文書で書いてもわかりづらいので、以下画像を参考にして下さい(苦笑)

キャリパー裏側にあるボルト(画像の赤丸の部分)の下部のみを抜き取ります。 ボルトが抜ければ、画像のように上に引き上げられます。
固い様なら上のボルトも少し緩めみてください。

単純にボルトを抜き取るだけですが、ボルトの回転方向を間違えやすいので注意してください。
ローター正面に向かって作業すると、裏表が逆なので、ボルトを緩めるのは時計回りになります。

キャリパーが画像のように持ち上がったら、パッドが取り外せます。
特に固定はされてはいないので、取れないときは軽く振動を与えてみてください。
取り外した古いパッドにはシム(金板)が付いているはずなので、 これは流用して、新しいパッドに取り付けます。
シムは取り付けない人もいるようですが、 放熱や鳴き止め等の効能があるらしいので、自分は使っています。
それから、ブレーキ鳴き等が気になる場合は、 ブレーキ専用のグリスをパッドとキャリパーの接触面に塗っておくといいでしょう。
新しいパッドにシムを装着して、グリスを塗ります。・・・これはちょっと塗りすぎかも(汗)
新しいパッドが装着できたら、後はキャリパーを元通りにするだけです。
が、その前に、擦り減ったパッドから新しい厚みのあるパッドに交換する場合は、 当然その分、出てしまっているピストンを押し戻さなければなりません。
フロントのピストンはそのまま力押しで元に戻るので、なんとか上手い事押し戻してください(苦笑)。
それを行う専用工具もあるようですが、大抵の場合は手元の工具をテコの原理で利用すれば、 押し戻せます。
よくある方法として、古いパッドをピストンにあて、 ハンマーの柄をそれとピストンの向かい側に引っ掛けて元に戻す方法がありますが、 自分は手持ちの角度が付いたメガネレンチの一番大きい物を使ってやっています。
ピストンを戻す際、ブレーキフルードも当然リザーブタンクに押し戻されるのですが、 過去にパットが減った状態でフルードを追加したりしていると、 タンクからフルードが溢れ出てしまう事があるので、注意してください。
新しいパッドを装着して、キャリパーも元通りにしたら、数回ブレーキペダルを踏んで、 押し戻したピストンがしっかりパッドに当たるようにしておいてください。
コレを忘れて発進すると、非常に恐ろしい思いをする事になります (経験者談)


リア作業
さて、フロントはコレで完成なので、お次はリアに取り掛かります。
リアはフロントよりちょっと面倒で、 まず作業前にサイドブレーキを解除しないといけないので、 ジャッキアップ時には、車輪止め等を使用して確り車体を固定してください。
サイドブレーキを解除した状態で車体をジャッキアップし、 タイヤの取り外しも完了したら、キャリパーを取り外します。
リアの場合はキャリパー上部を斜熱版?が覆っているため、 まず先にこれを取り外さなければなりません。
斜熱版は、上下ボルト2本で止まっているだけなので、簡単に取り外せるはずです。
斜熱版が取り外せたらお次はキャリパーですが、 リアはフロントと違い、上下ともボルトを抜いて完全に取り外さないといけません。
取り外したキャリパーは、そのままにしておくとブレーキホースを引っ張ってしまうので、 針金か何か適当な物で、サスペンションの何処かに吊り下げて置いてください。

まず画像の2つの赤丸部分にあるボルトを抜いて、斜熱版を取り外します。 キャリパー裏側にあるボルト(画像の赤丸の部分)を、リアは上下とも抜き取ります。 画像のように完全に取り外します。
ブレーキホースに負担をかけないように注意。

リアのパッドは取り付け方向が決まっているので注意。画像上の突起のあるパッドが奥のピストンに接する側用。
キャリパーを取り外したらパッドが取り外せるので、後はフロントと同じ作業です。
但し、リアのパッドはフロントと違い、取り付け位置が決まっているので注意してください。
パッドのどちらかに突起の付いたものがあると思いますが、 それが奥側 (ピストンに接する側) に使用するものです。
パッドが交換できたら、キャリパーを元通りにするのですが、 こちらもフロント同様、新しいパッドの厚みの分、ピストンを戻す必要があります。
この溝に工具を引っ掛けて、時計回り回転させてピストンを戻します。
リアのピストンは、フロントのように力押しで戻す事は出来ず、 ピストン表面の溝を使って、時計回りにねじ込んで行く必要があります。
車種によるのかもしれませんが、コレが意外に大変で、 使う工具が悪いとかなり苦労します。
使う工具といっても、当然専用工具を持っているわけも無いので、 ラジオペンチの先を引っ掛けたり、 自分の場合は車載工具にあるL字レンチを使ってやっています。
ピストンが押し戻せたら、後はキャリーパーを元通りに取り付けるだけですが、 この際、ピストンの溝にパッドの突起が収まるようにしなければならないので、 溝の位置を調整しておいてください。
それから、最初に外した斜熱版を元に戻すのもお忘れなく。
フロントの場合もそうですが、パッド自体はほとんど固定されていないので、 キャリパーを元に戻す時に、外れて落ちないように注意してください。
外れて落ちたパッドは、砂などが付いてしまい、 ローターを傷つける恐れがあるので、清掃してから取り付けたほうが無難です。
全て元通りに装着が完了したら、後はフロント同様にブレーキを踏んで、 ピストンがパッドに確り当たるようにして、作業完了です。


さて、パッドを交換して早速走行テスト!・・・と行きたい所ですが、 交換したばかりのパッドはローターに馴染んでいなかったり、 運転手自体がパッドの特性に馴染んでいなかったりするので、 初めのうちはゆっくりと感覚を掴むつもりで走行してください。

自分のパッド交換の感想ですが、今まで色々とブレーキ関係の強化をしてきましたが、 一番変化を感じたのは、これでした。
やっぱり、どんなに良いフルードやブレーキラインを使用しても、 最終的に制動を行うのはパッドの仕事なので、 ここを確りさせないと台無しになってしまいます。
まぁ、最近の車はかなり性能が良いようなので、それ程気にする必要も無いのでしょうが、 やっぱりサーキット等でスポーツ走行をする場合は、 ブレーキパッドぐらいは交換してもバチは当たらないんじゃないかと思いました。

という事で、今回のプロジェクトはこれにて終了です。

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